放送・表現上の注意語 #疾病 #用語変更 #人権

癩病

らいびょう

別名・異表記: らい、らい病

ハンセン病の旧称・俗称として使われてきた語。強い差別と強制隔離の歴史と結びつくため、公共メディアでは「ハンセン病」への言い換えが標準です。

背景

「癩病」(らいびょう)および「らい」は、現在「ハンセン病」と呼ばれる感染症を指してきた旧称・俗称です。日本では長い間、誤った感染観と結びついた強制隔離・無らい県運動など深刻な人権侵害の歴史があり、病名そのものが差別を固定化する役割を果たしてきました。

現在、公共の報道・教育・行政では「ハンセン病」(Hansen's disease)が標準です。これは病原体を報告した医師の名に由来し、旧来の漢字・俗称が帯びた侮蔑・恐怖のイメージを弱め、医学的・人権的に適切な呼称へ移す動きの一環です。らい予防法の廃止や、隔離政策への国家責任の確認、名誉回復・補償の取り組みとあわせ、言葉の側でも「癩」「らい」を新規の説明で使わない慣行が広がりました。

いわゆる注意語一覧でも、言い換えとして「ハンセン病」が示されます。日本の放送では、法令で全国共通の禁止語リストが一般公開されているわけではなく、人権報道の慣行と各事業者の自主規制として旧称を避ける運用が通例です。歴史ドキュメンタリー等で当時の用語を引用する場合は、現在の病名との対応と、差別の歴史への配慮が求められます。

メディアでの扱いのポイント

  • 現行病名: 「ハンセン病」を用いる
  • 旧称の引用: 歴史文脈に限り、注記付きで
  • 当事者: 「患者」「元患者」「回復者」など、文脈に応じた尊厳ある呼び方

学びの観点

「癩病→ハンセン病」は、単なる言い換えではなく、国家政策と差別の歴史を背負った病名更新の代表例です。「痴呆→認知症」「精神分裂病→統合失調症」と並べて学ぶと、疾病呼称と人権の関係が一貫して見えてきます。本項目の目的は旧称の再現ではなく、なぜ避けられるようになったかを出典付きで理解することにあります。

備考

病名の更新は、病原体発見者ハンセンに由来する名称への移行と、患者・元患者への人権回復の動きと一体です。歴史資料では旧称が残ります。侮蔑・嘲笑での使用は厳に避けます。

出典・参考

  1. 放送禁止用語一覧(monoroch)

    個人収集のいわゆる放送禁止用語一覧。公式局内リストではない。言い換え例として「ハンセン病」を記載。

    参照日: 2026-07-18

  2. ハンセン病 - Wikipedia

    病名・らい予防法・隔離政策と人権回復の概説。

    参照日: 2026-07-18

  3. 放送禁止用語 - Wikipedia

    参照日: 2026-07-18

  4. 差別用語 - Wikipedia

    参照日: 2026-07-18