苦力
くーりー
別名・異表記: クーリー、労働者(言い換え例)
中国語・英語 coolie 経由で、植民地時代のアジア系下層肉体労働者などを指してきた語。人種・階層を見下す歴史的語感が強いため、公共メディアでは「労働者」などへの言い換えが慣行化しています。
背景
「苦力」(くーりー)は、中国語の表記と英語 coolie などの経路で、近代の植民地経済や移民労働の文脈でアジア系の下層肉体労働者を指してきた語です。アメリカ大陸の鉄道・鉱山労働や、東南アジア・アフリカなどでの契約労働を語る史料にも現れ、安価で酷使されやすい労働力の象徴として扱われてきました。
語そのものが、特定の民族・階層を一括して見下す歴史を帯びているため、日本のマスメディアでは人権意識の高まりとともに、日常の報道でそのまま用いることを避け、「労働者」「肉体労働者」「移民労働者」など職種や状況を説明する中立表現への言い換えが慣行化してきました。いわゆる注意語一覧でも、言い換え例として「労働者」が示されます。
日本の放送においては、法令で全国共通の禁止語リストが固定公開されているわけではなく、各局の番組基準や現場判断、視聴者からの指摘などを踏まえた自主規制として扱われるのが通例です。
メディアでの扱いのポイント
- 歴史資料: 時代背景・原文尊重のため注記付きで残す場合がある
- 現代の人指し: 民族・階層を侮蔑する語感として避けやすい
- 言い換え: 「労働者」「建設・港湾などの作業員」など具体的に
学びの観点
この語は、グローバルな労働史と差別語の交差を示す教材になります。単語の差し替えだけでなく、誰の労働をどう名指してきたかという歴史を知ることが、報道・教育双方で重要です。
備考
monoroch 等では言い換え例として「労働者」が示されます。歴史記述では原文・注記付きで残る場合があります。インド等では駅の荷運び人を指す現行語として中立に使われる地域もありますが、日本のマスメディアでは注意語として扱われやすいです。
出典・参考
個人収集のいわゆる放送禁止用語一覧。公式局内リストではない。言い換え例として労働者を記載。
参照日: 2026-07-18
参照日: 2026-07-18
米大陸などでのアジア系移民労働者としての歴史的用法の概説。
参照日: 2026-07-21
参照日: 2026-07-18
関連用語
出稼ぎ
でかせぎ
他地域へ働きに出ることを指す語。中立な労働史用語としても使われますが、見下しや「出稼ぎ」を劣位とみなす用法には注意が必要です。一覧では「季節労働者」などが言い換え例として示されます。
土方
どかた
土木・建設現場の労働者を指す俗語。見下しの語感が残りやすいため、公共メディアでは「建設労働者」「土木作業員」などへの言い換えが選ばれやすいです。
鉱夫
こうふ
鉱山で働く人を指す語。公共メディアでは「鉱山労働者」「鉱業従事者」などへの言い換えが選ばれやすいです。「坑夫」と同音で近い意味を持ちます。
労務者
ろうむしゃ
おもに肉体労働に従事する人を指す語。法令・辞書上は労働者と同義に近い一方、戦後メディアでは見下しの語感が残りやすいとして「労働者」への言い換えが進んだ代表例の一つです。