白痴
はくち
別名・異表記: 白痴者
かつて重度の知的障害を指す医学・行政分類語としても用いられた語。現在は侮蔑的とされ、マスメディアでは「知的障害」「精神障害のある人」などへの言い換えが一般的です。
背景
「白痴」(はくち)は、かつては知的障害のうち重度を指す医学・行政寄りの分類語としても用いられました。一方で、日常語としては人を見下す侮蔑表現としても流通し、障害そのものを嘲笑するラベルとして強く問題視されるようになりました。
知的障害に関する呼称は時代とともに大きく変わっています。かつての「精神薄弱(精薄)」は、法律・教育の用語としても使われていましたが、人格否定的・精神障害との混同を招くなどの批判から、学校教育法では1998年前後の改正、関連法制では2000年頃までに「知的障害」への置き換えが進みました。また重度・中度・軽度の旧称(白痴・痴愚・魯鈍など)も、偏見を煽るとして避けられるようになりました。
マスメディアでは、個人を指す文脈でこの語を用いることを避け、「知的障害のある人」「知的発達に支援が必要な人」など、状況に応じた中立的な言い換えが推奨・慣行化しています。いわゆる「放送禁止用語」一覧にも注意対象として掲載されることが多くありますが、日本の放送では法令による全国共通禁止リストが一般公開されているわけではなく、番組基準と社会通念に基づく自主規制が通例です。
メディアでの扱いのポイント
- ラベルとして人を指す用法: 公共放送・報道では許容されにくい
- 比喩・罵倒: 「〜は白痴だ」のような嘲笑は、障害への偏見を再生産しやすい
- 歴史資料: 古い医学書・法令・文学作品の原文では残ることがあり、注記付きで扱う
学びの観点
この語は、かつて専門分類に使われた語が、社会の中でスティグマを強め、のちに廃語・注意語側へ移った典型例です。「公式用語だったから問題ない」ではなく、当事者の尊厳と用語の社会的効果をどう評価してきたかを考える材料になります。関連して「知恵遅れ」「低脳」など、俗語・蔑称として残った語との違いもあわせて理解するとよいでしょう。
備考
かつて重度を「白痴」、中度を「痴愚」、軽度を「魯鈍・軽愚」とする区分があったとされますが、偏見を煽るとして「重度・中度・軽度」等へ改められました。日常・放送では使用を避けるのが通例です。
出典・参考
個人収集のいわゆる放送禁止用語一覧。公式局内リストではない。言い換え例として「精神障害者」を記載。
参照日: 2026-07-18
参照日: 2026-07-18
旧分類(白痴・痴愚・魯鈍等)と、重度・中度・軽度への改称、精神薄弱から知的障害への変遷。
参照日: 2026-07-18
参照日: 2026-07-18
関連用語
知恵遅れ
ちえおくれ
知的障害を俗に指してきた表現。公式の法律用語としては用いられず、侮蔑的とされ、マスメディアでは「知的障害」などへの言い換えが一般的です。
きちがい
きちがい
精神の不調や「常軌を逸した」状態を侮蔑的に指してきた俗語。放送・報道では使用を避け、「精神に障害のある人」「心の病」など状況に応じた言い換えが求められてきました。
精神分裂病
せいしんぶんれつびょう
統合失調症の旧称。2002年に日本精神神経学会が「統合失調症」へ呼称変更し、行政・メディアでも新名称への置き換えが進みました。現在は旧称の使用を避けるのが一般的です。
低脳
ていのう
知的能力や学習の遅れを侮蔑的に指してきた俗語。マスメディアでは使用を避け、「知的障害」「学習の困難」など状況に応じた言い換えが一般的です。